可哀想なエドワード

「外気のなかに連れ出されて、私の思考は、新しい風に当たって生気を取り戻すのを感じた。山のなかに解き放たれた都会人のように、私は広々とした空間に陶酔し、そしてそのあいだにも、私の目は眩しさをこらえながら、私を取り巻く対象の豊かさと多様性を測っていた。」(『悲しき熱帯』)


"What do you value in life then?"
"I'm afraid you'll laugh at me. Beauty, truth, and goodness."
"Don't you think you can have those in Chicago?"
"Some men can, perhaps, but not I."
(The Fall of Edward Barnard)


半年以上前から漬けていたカリン酒があって、今夜なんということなく開けた。お祝いのときに、と思ってたけど。舌触りがなめらかでいける。外置きしたゴミ袋の表面をナメクジがじっとりとはっている。自由だとか青春だとか、そういう押しつけがましいのには一歩引いてしまう。私は祝いたいから祝うのだ。