晴れた 凪いだ

迷子になってしまい仕方なくそれっぽい尾根の鹿道を歩いていると、道前方の斜面側の低木帯からグググゥっとバイクのエンジンのような音がした。固まった。「おーい」「ほーい」と呼びかけると、その度にググのレスがあった。ザックを下ろしていつでも逃げれる態勢をととのえてから、じっとしたり後悔したりうたったりしてみた。5分くらいそんなことをして、ええいままよっと突っ切って、現在にいたっております。異性を誘う甘さを知らない鳥だったのか生々しい敵意を含んだ風だったのか、あるいはほんとに召されかけたのか。



後方に見える山にいるはずだったのに。石楠花岳(?)にて。