156
日の出どころか、50m先も危うかった。あれは逝ける。ちょうどいい頃合いだった。
人間は多かれ少なかれ不完全なんだから、弱さは悪いことじゃないけれど、だからといってそれを自分の殻に籠もったり誰かを損なったりすることの言い訳にすべきじゃない。Q.E.D.
この世のあらゆる醜い感情があわさっていびつでずんぐりとした塊になり、ここ数日宿痾のように頭から離れなかったのだけれど、ふとしたきっかけで霧散した。たぶん、引き金は何でもよかったんだ。たぶん。
ぶ厚い雪雲の間に見えた青空は祝祭的に澄んでいて親しみを感じたのに、湖西で見上げたときにはもうなんの感慨もなかった。そういえば、久々に太陽を見た。
メモ:
「俺たちは100年前からここにいて、戦争も体験したんだ。あいつらはよそ者だ」 福井で道を訊いたおじさん
「電気消すよ?おやすみ」
職質に来たおまわりさん
「光栄で、愉快だ」
William Kristol